2020年総会での特別決議

日本学術会議への違法な人事介入をやめ、推薦者全員を任命するよう求めます

菅義偉内閣総理大臣は、日本学術会議からの新会員105人の推薦に対し、6人を理由も明らかにしないまま任命拒否しました。日本学術会議は、第2次世界大戦に科学が協力したことの反省に立って、1949年に設立され、「学者の国会」とも呼ばれます。「独立して職務を行う」(日本学術会議法第3条)と規定されています。だからこそ、1983年に投票による公選制から現在の任命制に変更された際も「政府が行うのは形式的任命にすぎない」(中曽根康弘首相=当時)とされてきたのです。今回の任命拒否は、学術会議の独立性を侵し、憲法第23条が保障する学問の自由に対する乱暴な介入という前代未聞の違法行為と言わざるをえません。

任命しない理由が「総合的、俯瞰的な活動を確保する観点で」として具体的に明らかにされていないことも大きな問題です。本人の政治的な発言や行動により、任命を拒否したのであれば、任命権を盾に、学術会議を政権の意のままになる機関へ変質させることを意図したものとして、看過できるものではありません。今回は人文系の学者6人が拒否されましたが、新型コロナウイルス対応あるいは原発の再稼働や廃棄物処理などの問題で政府の方針に異論や批判的見解を述べる自然科学系の学者が次の標的とされない保証はありません。

その後、菅総理は「99人の名簿しか見ていない」と発言していますが、それが事実であるなら、今回の学術会議会員の任命は、推薦に基づかない任命となり、「推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する」とした日本学術会議法第7条第2項に反する法律違反となります。菅総理に代わって6人を除いたのが誰であれ、任命権のない者に任命を委ねて、見ていないと開き直る菅総理の責任は重大です。

さらに学術会議のあり方に問題をすり替えたり、解体すら主張する一部の議論もあり、これらは論外と言うべきものです。

私たちは自然科学と社会科学の両面に立脚する医師・歯科医師の会として、このたびの菅政権による日本学術会議への人事介入につよく抗議し、任命拒否された6人に対して総理は謝罪し、直ちに任命することを求めるものです。また、北海道から選出されている会員・連携会員の先生方におかれましては、政府の干渉に負けずに自主性を貫いてくださるよう心から要望いたします。

2020年11月1日

核戦争に反対する北海道医師・歯科医師の会 第32回総会

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